HOW TO SKI

2016/09/30

生まれてはじめてスキーをするなら、スキー場のスクールでレッスンを受けるのがおすすめです。スクールスタッフが滑る、止まる、曲がる方法を分かりやすく丁寧に教えてくれます。また、スキー経験者の方は、ここで紹介する内容にそったレッスンをすることで、はじめてスキーをする人へのレクチャー方法としても役立てることができるはずです。
取材協力:たんばらスキーパーク ゴールドウイン UVEX LEKI REUSCH

レッスンをしてくれたスキーのコーチ/土井俊幸さん

たんばらスキーパーク ZAPスキースクール代表。
アルペンスキーの経験を積み、スキークロス選手としてワールドカップや世界選手権で活躍。滑りのクセを見抜き、矯正法までアドバイスするわかりやすい指導に定評がある。

はじめは準備体操から

スキーを楽しむ際はいきなり滑り始めず、まずはストレッチなどの準備体操で体をほぐしておきましょう。体操やストレッチで筋肉の緊張をやわらげ、体を動きやすい状態にするためです。特に雪上は気温が低く、体が冷えて、普段よりも筋肉が硬くなっています。また、ストレッチで可動域が広げるとケガのリスクの軽減に役立ちます。ここでは、スキースクールでよく取り入れられている基本の準備体操を紹介いたします。
・伸脚
片脚を曲げて反対の脚を伸ばす準備体操の基本。浅く伸ばした後は、深く伸脚してしっかりストレッチを行いましょう。
・脚を前後に開く
片脚を前に出し、反対の脚は後ろに引いて体を沈めて上下に動かします。足を入れ替え左右行います。
・ヒザの屈伸
ヒザに手を当てて脚の曲げ伸ばしを繰り返します。軽い屈伸から深い屈伸にしていきましょう。
・腰を回す
脚を肩幅に広げ、腰に手を当てて骨盤を動かすようなイメージで腰を回します。
・体側のストレッチ
手を頭の上で組んで、手のひらを空に向け、そのまま真横に上体を倒します。これも左右行いましょう。
・上体の前後屈
上体を前に倒し、体を起こしたら腰に手を当てて上体を後ろに反らす運動を繰り返します。
・上体を回旋
肩幅に足を広げて両手を上げ、上半身を回します。右回りと左回りの両方を行いましょう。
・腕、肩のストレッチ
伸ばした片腕のヒジを反対側の腕で挟み、胸に引き寄せます。腕を入れ替え反対の腕も同様に行いましょう。
・手首を回す
見落としがちな手首のストレッチも忘れずに! 体の前で指を組み、そのまま手首を回します。
・首を回す
首を前後や左右に倒すのを繰り返したら、ゆっくりと左右に回しましょう。

ブーツを履いて動いてみよう

スキーのブーツは厚みのあるプラチックなどでできており、一般的な靴よりも重量があります。まずはこの重さに慣れるため、足踏みしたり走ったりしてブーツに慣れましょう。雪上は柔らかいので足がとられやすいですが、その感覚に慣れることも大切です。斜度がなく雪が硬くなっていない平坦な場所で練習するのがおすすめです。
●足踏みをする
雪上に立って足踏みをします。モモを高く持ち上げるように意識するのがコツです。何度も足踏みをしてスキーブーツの重さに慣れていきましょう。
●「ハの字」に開く
つま先を前に向けて足を揃え、真っ直ぐ立ちます。そのままブーツのカカトだけを雪面を滑らせるように押し開きます。カカトを広げたときも、つま先は最初の状態を保っていることが大切です!
●ジャンプする
上体をできる限り低く沈めます(無理のない範囲でOKです)。後ろに倒れないよう足首とヒザをしっかり曲げるよう意識しましょう。そのまま真上に向かって思いっきりジャンプします。
●走ってみる
雪面を走ってみましょう。この時もヒザや足首を曲げるよう意識すると走りやすくなります。ブーツが重くて走りにくければ、足持ち上げて前に投げ出すようなイメージで行いましょう。

片足だけスキーを履いて滑らせてみる

まずは片足だけにスキーを装着し、滑る感覚を確かめます。スキーを履いていないほうの足で雪面を蹴り、装着したほうの足に体重をのせてスキーを滑らせます。滑るスキーの動きに合わせてうまくバランスを取り、「雪の上を滑る」という感覚に慣れていきましょう。上体がフラついて転びそうになっても、スキーを履いていない足を雪面に着けばバランスが保てます。
NG例:上体を反らす
滑った足に上体がついていけないと後傾になって転んでしまいます。上体は反らさず、おへそを常に雪面に向けるイメージでチャレンジしてみましょう。

両足に装着して歩いたりスキーのテール(後ろ)を開いたりしてみよう

片足で滑る感覚に慣れたら、両足にスキーを装着します。そのまま、足を一歩ずつ前に出しながら雪面を進んでみましょう。このとき、足を持ち上げてスキーが雪面から浮いてしまわないよう注意!雪面にソール(板の裏)をつけたまま、スキーを滑らせながら歩いていくのがポイントです。滑る感覚をつかんだら、今度は平らな場所でスキーを「ハの字」に開く練習をしていきます。
NG例:後傾になる
後傾になるとスキーのトップ(先端)が持ち上がってしまい、うまく前に進めません。おへそが上を向かないように意識して歩いてみましょう。
●右脚のスキーのテールを開く
スキーを平行にしたまま、少し両足を開き自然な姿勢で立ちます。両腕は軽く広げておくとバランスがとりやすくなります。そのまま右側のテール(板の後ろ)を外側に押し出します。このとき体の中心が最初の位置からズレないように注意しましょう。
●左脚のスキーのテールを開く
反対側も同じようにスキーを平行にした状態からスタート。真っ直ぐ立って両手を軽く広げます。体の中心がズレないように、左側のスキーのテールを押し開いていきます。
●両脚をハの字に開く
今度は両足のテールを開いてみましょう。真っ直ぐ立って腕を広げる姿勢は同じです。トップ(板の先端)が広がらないようにテールだけゆっくり押し開き、スキーの板が「ハの字」になるように練習しましょう。
NG例:スキーが重なる
トップが重なるとスキーのコントロールができなくなります。内側のエッジで雪面を削るイメージでハの字にします。
NG例:内股になる
内股になると脚がスムーズに動かせません。両脚を伸ばすイメージでハの字を作ってみましょう。

転ぶ&起きる練習をしよう

スキーを履いて動くことに慣れないうちは、バランスを崩して転ぶことが多いため、上手な転び方を練習しておきましょう。転ぶときは無理に手をついたりせず、お尻から転ぶようにします。このとき両足の外側にお尻を付けるのがポイント。スキーの間にお尻をつくと止まらずにそのまま滑って行ってしまいます。上手に転ぶことができればケガの防止に繋がります。また、起き上がり方にもコツがあるので、一緒に覚えておきましょう。
●転び方
まずは真っ直ぐ立った状態からスタート。斜め後ろに向かってお尻から転び、手をつかずお尻が雪面につくように転びます。
●起き方
スキーを平行に揃え斜面に対して垂直になるようにします。雪面に手をついてスキーの真上に体を移動させたら、そのまま足を踏ん張って立ち上がってみましょう。
スキーがバラバラになったときは?
転んで足が開いたまま立ち上がるとスキーが滑っていってしまします。斜面に対してスキーが垂直になるよう位置を調節してから立ち上がりましょう。

斜面の上り方

滑る練習をするためには、傾斜を上らなくてはなりません。そこで、まず斜面を上るコツを覚えましょう。傾斜を上るときは、斜面に対してスキーを真横にして上るのが基本です。スキーを平行にして、足を上に踏み出して一歩ずつ上っていきます。斜面の上側(山側)のエッジを雪面に食い込ませると、スキーが横滑りせずバランスが安定します。
これはダメ!
スキーのトップ(先端)やテール(後ろ側)が斜面に対して下に向いていると、そちらの方向に滑ってしまい上れません。
●斜面を上る方法
1)平行にしたスキーを斜面に対して垂直に並べ、斜面の上側(山側)の足を持ち上げ、上りたい方向に体を傾けながら足を踏み出します。
2)下側(谷側)のスキーのエッジをしっかり雪に食い込ませ、山側の足に体重を乗せましょう。
3)バランスを崩さないよう谷側の足を持ち上げます。
4)谷側の足を引き寄せたら、同じ動作を繰り返して斜面を上っていきます。

真っ直ぐ滑ってとまる練習

斜面を上ったら、いよいよ真っ直ぐ滑ってとまる練習です。スキーのトップを斜面の下に向け、ハの字のポーズでとまります。最初の練習は傾斜のゆるい場所からチャレンジしましょう。斜面をゆっくり滑り降り、平地でスピードが落ちて自然にとまるような地形が理想的です。とまるときはスキーを「ハの字」にして、しっかりストップ。スキー場で練習をする場合はゲレンデ下の緩斜面など、人通りが少ない場所を選ぶこと。
スキーのトップが重なってしまう時やうまく滑り出せない場合には、滑り慣れた人にトップを持ってもらうなどサポートしてもらいましょう。
●滑り方&止まり方
1)スキーの内側のエッジを立ててブレーキをかけ、斜面の下を向きます。
2)エッジの角度をゆるめ、ゆっくり進みます。両手を広げておくとバランスがとりやすくなります。
3)トップが重ならないようにスキーを大きな「ハの字」に開いてとまります。
NG例:下を見過ぎる
足元を気にして目線が下を向いてはダメ。視線は正面に向け進む方向を見るようにします。
NG例:トップを広げる
スキーのトップが広がるとエッジが立てられず、スピード調節ができなくなります。スキーはきれいな「ハの字」をキープ。
NG例:後傾になる
後傾などバランスを崩すと、スキー操作がうまくできません。重心が両足の下にくるようバランスをとりましょう。

リフトに乗ってみよう

はじめてリフトに乗るときは、乗り場や降り場で転んでしまうことがあります。そこで、実際に乗る前に、乗り降りの流れをイメージしておきましょう。リフトに乗るときは係員の指示に従って乗り場まで進み、リフトが来たらタイミングよく座ります。リフト降り場では降車位置の目印がきたら立ち上がり、そのまま真っ直ぐ進み、後からくる人のジャマにならないよう降り場から速やかに離れましょう。

リフトに乗ったらセーフティーバーを下ろし、騒がずに静かに乗車するのがマナーです。リフト乗車中にゴーグル、グローブ、帽子を外すと落としてしまうことがあるので、装着したままがおすすめです。
●リフトに乗るイメージ
リフトに乗るとき、ポールは突かず持ち上げておきます。片手にまとめて持つのもおすすめです。乗る直前まで、後ろを向いてリフトが来るのを見て確かめましょう。
●実際にリフトに乗ってみよう!
1)リフト乗り場に並んだら、乗車場の手前で停止。リフト係員の指示があるまでここで待ちます。
2)係員の合図に従い、乗車位置に進みます。乗車位置はラインなどの目印が付いています。
3)降車位置でとまり、ポールを上げて、後ろからリフト搬器が来るのを確認します。
4)搬器がきたら深く腰掛けます。座ったらセーフティーバーを下げましょう。
●降り場のイメージ
降り場では、降車位置の目印がくるまでリフトに座り、目印がきたら立ち上がります。降り口が傾斜になっていたら、「真っ直ぐ滑ってとまる」の要領で滑り降ります。後傾になると転んでしまうので、リフトから前に向かって立ち上がるイメージで降りてみてください。

ターンに挑戦!

右や左に曲がる方法を覚えると、コースで滑るのがもっと楽しくなります。曲がるコツはスキーをハの字にして真っ直ぐ滑ったら、行きたい方向に胸を向けること。すると自然にその方へとターンしていきます。はじめは右か左に1回ターンしたらとまり、それから反対方向に進むという方法でもかまいません。

とまるときはポールを突くと危険なので、ハの字でゆっくり減速してとまりましょう。はじめはスピードが出過ぎない緩やかな斜面を選んで練習するのがポイントです。
●右にターン
1)まずはハの字で真っ直ぐ滑り出します。両手を広げ、視線は前に向けましょう。
2)行きたい方向(右)に胸を向けます。このとき体がスキーの間から外れないように注意!
3)胸を向けた方向に進んでいくので、上体が遅れないよう動きに合わせてバランスをとります。
●左にターン
1)左ターンも同様にハの字で真っ直ぐ滑り出します。
2)ターンをしたい方向(左)に胸を向け、スキーがハの字の形になった状態をキープしましょう。
3)スキーが進むのに合わせてバランスをとり、その方向に滑っていきます。
NG例:腰をヒネる
腰だけをヒネって体がねじれるとスキーの操作がしにくく、ターンがうまくできません。「ハの字」で滑るときは、体の重心が常にスキーの真ん中にあるのがポイントです。

連続ターンにチャレンジ

右、左のターンをマスターしたら、今度はそれを連続して滑ってみましょう。ターンを上手につなげるコツは、1つのターンが終わってすぐに反対側に曲がろうとせず、しばらく横に進むこと。右か左のどちらかに行きたい方向にターンをしたら、そのままスキーが進むのに合わせてついていき、体勢を整えてから次のターンに入りましょう。
●左右のターンをつなげて滑る
1)ハの字の状態で滑りながら、まず左に胸を向けて曲がってみましょう。
2)ターンしたら、そのままバランスを保ってスキーが進むのに合わせて横に滑ります。
3)それからゆっくり反対側(右)に胸を向け、次のターンをはじめます。
4)曲がったらそのままバランスをとってスキーが進むのに合わせて滑ります。
5)横に滑りながら体勢を整えて、また次のターンへ。これを繰り返せば連続ターンしながら滑れます。

覚えておきたいスキー場のマナー

安全にスキーを楽しむために、スキー場のマナーを覚えておきましょう。スキー初心者はいきなりリフトに乗らず、最初はゲレンデ下の緩斜面などで練習するのがおすすめです。その際はなるべく人が少ないところを選びましょう。ゲレンデによっては、滑りの練習ができる初心者エリアを設けているところもあります。

リフトに乗ってコースに出るなら、いきなり上級者コースを滑らず、初心者コースから挑戦し、段階を踏んで上達していきましょう。また、コースを滑るときは、周りの人の動きを常に確認し、立ち止まる場合はコースの端に寄るなど、マナーを守って安心・安全にスキーを楽しみましょう。
<レベルに合ったコースを滑る>
はじめてコースに出るなら、幅が広くて斜度のゆるやかな初心者コースを選びましょう。スピードが出にくく、ゆっくり練習できます。
<周囲に気を配ろう>
いきなり滑り出すとほかに滑る人と衝突するなど、事故につながります。滑り出すときはコースの上から滑る人が来ていないか必ずチェックしましょう。
<立ちどまるときはコースの端に>
コースの真ん中に立ちどまると、他の人と衝突する危険性があります。休憩や人を待つ場合はコースの端に寄り、上から来る人から見える位置でとまりましょう。
<リフトでは子どもは大人と一緒に>
子どもと一緒にリフトに乗る場合は、保護者の隣に座らせます。乗るときは深く座らせ、降り場で立ち上がるのを助けるなど、サポートしましょう。

知っておくと役立つ情報

上手に「ハの字」が作れないなど、はじめのうちはうまくできないことがたくさんあります。子ども用となりますが「ハの字」を矯正する便利アイテムがあるので、役立ててみてください。また、スキースクールを利用すると、滑り方のコツを教えてくれるので上達がスムーズです。

なお、初心者はポールを突いてとまろうとして、グリップで胸や顔を打つなどのケガをすることがあります。はじめのうちは、初心者はポールを持たずに練習したほうが安全です。
<便利なアイテムを活用しよう>
「トライスキー」は子ども用のスキーのトップに装着し、「ハの字」の状態で板のトップが重ならないようにする便利なアイテムです。
<初心者はポール無しでもOK>
初心者のうちはポールを持たずに滑っても問題ありません。ある程度滑れるようになるまで、ポール無しで練習してみましょう。
<スクールを利用する>
スキースクールは、まったくの初心者でも用具の使い方から滑りの基本まで丁寧に教えてくれます。はじめてスキーをする人は、ぜひ受講してみましょう。

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