プロの先生達って、こんなにスゴイ!

スキーやスノーボードに初めてトライする、あるいはもっともっと上手になりたいっ! そんなとき頼りになるのが、スクールの先生達。以前にも紹介したように、日本にはSIA(公益社団法人日本プロスキー教師協会)という組織があり、国内においてプロフェッショナルなスノースポーツ教師を育成し、スキーやスノーボードの楽しさを伝えるべく、全国に133校のスクールを展開しています。またSIAはISIA(国際スキー教師連盟)に加盟する日本で唯一のプロスノースポーツ教師の団体なので、海外のスキー場やスクールとの連携も深く、常に最新の指導法や技術を研究しています。

デモンストレーター、イグザミナーって何?

プロスノースポーツ教師の団体であるSIAでは、その滑走テクニックと指導技術の象徴として会員達の規範となるべき存在を毎年選考しています。それがSIAデモンストレーター(以下SIAデモ)。SIAデモは、毎年四月に行われる「SIAデモンストレーター選考会」において選出され、その任期は一年。任期中は、全国の公認スクールで指導技術や理論の伝達を行ったり、様々なイベントに参加したり、もちろん各種メディアにも登場し、まさにスキーヤーの憧れとも言える活動を行います。イグザミナーは、SIAの上級資格であるステージ3取得者の中から、所定の認定基準を満たした教師に与えられる資格で、主に会員に対する教育を任務としています。つまりスノースポーツ教師の先生に当たる存在というわけです。

シーズン初頭の札幌国際スキー場に集結した第39期SIAデモンストレーター達。

後列左から、湯下万里(エコーバレースノースポーツスクール)、佐伯知彦(立山アドベンチャースノースクール)、井上強(ハチ高原スノーアカデミー)、高本稔(SAPPORO SNOWSCHOOL)、的場佑樹(高鷲スノーパークスクール)、藤本剛士(サニープロスキースクール)、長谷川勝彦(高鷲スノーパークスクール)、佐伯敏(JAPANジュニアスキーアカデミー)、左近一平(オニコウベスキー&スノーボードスクール)、岡本大樹(赤倉ヨーデルスキー学校)、佐々木常念(戸隠フランススキー学校)、塚田 洋平(テレマークスキー/Wing Pro Ski School)。前列左から、可児徹(ISG Ski Academy SUGADAIRA)、古谷正臣(札幌NEスキースクール)、谷藤昌司(三浦雄一郎&スノードルフィンスキースクール札幌)、福田咲(菅平ハイランドプロスキースノーボードスクール)、佐藤寛(テレマークスキー/エコーバレースノースポーツスクール)、川辺貴子(石打プロスキースクール)、小上理恵(木島平プロスキースクール)、湯下大地(エコーバレースノースポーツスクール)、田中宏典(スノーボード/苗場スノースクール)、國井理裕(スノーボード/MZ白石スノースポーツスクール)

毎シーズン初頭に行われるデモンストレーター&イグザミナー合宿にお邪魔しました!

昨年12月、札幌国際スキー場にて「SIAデモ&イグザミナー合宿」が行われました。この行事は、シーズの初頭に、SIAデモとイグザミナーが一堂に会し、最新の指導理論や技術指針について、コンセンサスを計る目的を持っていて、SIAの各種行事の中でも特別に重要なものです。ここで多くの意見が交わされることにより、私たちは全国どのSIA公認スクールに入校しても、質の高いレッスンを受講できるのです!

久慈修 教育部技術委員長を中心として、さまざまな技術追求が繰り広げられました。

SIAには「SIAスキー&スノーボード公認メソッド」があり、これはいわばスノースポーツ教師のためのマニュアル、つまり指導教本のような位置付けのものです。アルペンスキー、スノーボード、テレマークスキーの3種目それぞれ、準備過程から洗練、応用と段階をおって技術と指導法を学ぶことができるテキストで、全国の公認スクールでは、このメソッドを基軸にレッスンが行われています。今回の合宿でも、メソッドをベースに分析と研究がなされました。しかし、「用具や環境の変化によって技術は常に進化しています。それらをアップtoデイトに捉えていかねば、世界に通用するプロ教師にはなりえません。またメソッドは、ある意味、生き物です。SIAでは、2020年秋に新しいメソッドを発表すべく準備を進めており、今回の合宿は、そのプランニングという意味合いも持っています」(久慈修技術委員長)。

SIAが考える技術骨子「ピボット&ラディウス」とは?

今回の合宿で、もっとも大きな研究テーマとして挙げられていたのが「ピボット&ラディウス」。これはいったいどんなことなのでしょうか? ピボットとは、判りやすくいえばスキーを回転させる「軸」のこと、そしてラディウスとは半径、ここでは、スキーのエッジに付けられているトップからテールまでのカーブ(サイドカーブ)のことです。つまり「ピボット&ラディウス」とは、スキーをある軸によって回転運動を促しながら、スキーに付けられたサイドカーブをフルに生かしたターンをしようという考え方。そして、これは初級者から超上級者まで一貫した共通の技術骨子となります。今回、久慈修技術委員長が「ピボット&ラディウスの理論の理想型に近く質の高い運動」と評価していた谷藤昌司デモのパラレルターン・ロングをご紹介しましょう。なお、「ピボット&ラディウス」の具体的な内容については、まだメディアでの公表はできないそうです。しかし、SIA公認スクールでは、これについて伝達講習を受けた先生達がレッスンしてくれますから、興味のある人はぜひ!
流れるようなパラレルターン…。思わず見とれてしまいますね。効率良くスキーに力を加えてその性能を引き出した滑りならば、無駄な体力を使わずにスキーを楽しむことができます。

雪上の「教えるプロ」である誇り。そこには、私達が普段見ることのない切磋琢磨の志が秘められているようです!

①ベテランスキー教師であっても、合宿中は学びの姿勢。細かな動きも徹底的にチェックされます。②プルークボーゲンなどの低速技術はレッスンの現場ではもっとも重要なもののひとつ。私達のお手本となる滑りは、こういった努力から生まれるのですね。③スノーボードのデモも同じ環境で合宿に参加することで、組織としての連帯感だけでなく、同じスノースポーツとして運動の共通性などが見出されていました。④レッスンに活用できる様々なトレーニングメニューをじっくりと分析。こういった努力から「頼れるプロ教師」が生まれます。⑤雪上だけでなく、夜も机上講義でスケジュールはびっしり。

あとがき

スキーやスノーボードを教えてくれる先生達というと、とかく雪上での華やかな姿ばかりを連想してしまいます。ですが、その裏付けとなるのは、今回目にした「プロとしての追求する姿勢」であることがよく判りました。安全で楽しく、しかもしっかりと上達できる、その道筋を示してくれるSIAのプロ教師達。天候が安定する3月は上達のチャンスとも言われています。シーズン終盤の総まとめに、SIA公認スクールでのレッスンを体験してみてはいかがでしょうか!

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