7月20日(金)、先日行われた平昌オリンピック フリースタイルスキー 女子ハーフパイプにて金メダルを獲得したZUMASKISライダーのCASSIE SHARPE(キャシー・シャープ)と、現在は商品開発やライダー育成にも携わっているJUSTIN DOREY(ジャスティン・ドーリー)の来日を記念して、両選手とのコミュニケーションイベントが開催された。
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ZUMASKISとは・・・

ZUMAは1995年にスノーボードブランドとしてスタート。サーフィン発祥のマリブビーチにある公園がブランド発祥のきっかけ。
そのビーチの美しさと陽気なネイティブたちを目の当たりにしたときの感動をそのままに美しく楽しくがコンセプト。
その楽しく自由に遊べる、スノーボードのジャンルにとらわれない製作技術がいつしかスキーにも生かされるようになり、いまでは金メダル選手を誕生させるまでに成長。
いまでは、ZUMASKISというくくりでアドバイザリースタッフのジャスティン・ドーリーをはじめ、ライダーのキャシー・シャープやサイモン・ダルトワ、国内では池田大騎や後藤良介が大会やイベント、レッスンでも活躍中。
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インタビュー

今回のコミュニケーションイベントでは、スキー、スノーボードに関連するメディアや関係者が招待され、金メダリストのキャシー・シャープやジャスティン・ドーリーは、オリンピックの話や普段なかなか聞くことができないプライベートな話まで多くの質問に快く回答してくれた。
――ジャスティンは久々の日本だけど、どうですか?

(JUSTIN)今回の日本はとにかく暑いね。3日前に日本入りして昨日は長野の北信エリア、斑尾や戸狩などスキー場をまわったけど、あっちはとても涼しかった。ジャングルみたいな景色も良かったよ。


――キャシーははじめての来日だけど、日本はどうですか?

(CASSIE) とても楽しいです。ごはんもおいしいし、人も良いし、昨日行った長野のいわゆる田舎のほうも環境がよくて、すごく楽しんでます。


――金メダル獲得おめでとうございます。オリンピックはどうでしたか?特別な大会でしたか?

(CASSIE) ありがとうございます。オリンピックはとても特別な大会でした。
ワールドカップやDEWTOURのようないわゆるスキーオンリー、スノーボードオンリーの大会に比べて、様々なジャンルのスポーツが一同に介した大会だったので、とても違いました。


――そんな特別な大会で金メダルが決まった瞬間の気持ちは?

(CASSIE) 家族が一緒にオリンピックに観戦に来ていたんだけど、家族が目の前で観戦してくれているなかで、表彰台の真ん中に立てて、その嬉しい気持ちを家族とシェアできたのが最高でした。


――金メダルを取ったあと、生活になにか変化はありましたか?

(CASSIE) メダルを取ったことで、こういった交流会や記者会見を受けるようになったし、学校にいって生徒たちに教えられることがさらに増えのは、すこし変わったことですね。

(JUSTIN) キャシーのことを前から知っているけど、オリンピックでメダルを取るまえとあとで、周りの反響という意味ではとても変わったけど、彼女自身としてはなにも変わっていないよ。


――ジャスティンから見て、他の選手にはないキャシーの強み、選手としての特徴はありますか?

(JUSTIN) キャシーを見るようになった3、4年前から、彼女の潜在能力の高さは感じていたよ。特に昨シーズンからそれぞれ散らばってた強みがまとまりだして、それは彼女のとてつもない努力の結果なんだけど、それが今回メダルという結果につながった。
いろんな強みを努力によって大きなものにできたというのが彼女の強みだろうね。
――キャシーの小さいころからのスキーのキャリアを教えてください。

(CASSIE) 8歳でスキーを始めました。お兄さんと弟がいて、一緒にスキーを始めて、遊びでジャンプしたりスピンしてみたり。
ブリティッシュコロンビアのバンクーバーでスキーをしていて、初めて大会に出たのは15歳で、その大会での結果は4位でした。
それがすごく悔しくて、そこから選手として頑張りたいとおもったのが、選手生活の始まりです。


――ハーフパイプの一番の魅力は?

(CASSIE) 特に大きいジャンプをするというところだけど、ハーフパイプは大きく飛び出してそこから戻ってくるスリルがあって、そのハイリスクなところを楽しんでいます。


――スリルを楽しんでいるといっていたけど、怖くはないですか?

(CASSIE) 怖いですよ。でもそれを乗り越えたところにある楽しさを楽しんでいます。


――オリンピックや大会に勝つためにどういったことを考えている?

(CASSIE) カメラとかいろいろな人の目を気にしないように、音楽を聴いて、集中力を高めています。ダンスミュージックやラップなど、激しい音楽を聴いていますね。


――この4年間で成長したと感じる部分は?

(CASSIE) 4年前のソチでは代表にはなれませんでした。チームメイトがケガをしてチャンスもあったが自分自身も準備ができていなくて出場には至りませんでした。
でも今回は自分も成長してきてオリンピックにでることができて、さらに金メダルがとれてとても幸せです。

ソチオリンピックではチームメイトがオリンピックで戦っている姿をテレビで観ていることしかできなくて、悲しかったし、自信を失っていました。
そこから、2年後の2016年のフランスの大会あたりから、心の持ち様が強くなってきたというか、自信をもってプレイをできるようになってきた。そこが伸びてきた部分だと思います。

(JUSTIN) 2016年の大会のとき、僕もその場にいたけど、キャシーのスキー操作テクニックは他の選手と比べてもあまり変わらないレベルだった。
でも他の選手に比べて圧倒的にエアの高さがずば抜けていた。他の選手に比べて2倍くらい飛んでる。それは明らかに違うポイントだったね。
――ZUMASKISの良さについて教えてください。

(JUSTIN) 5年くらい前からキャシーが乗っているこの板を作る設計に関わっているが、フレックス(やわらかさ)を他に比べて反発を強いものにして、高いジャンプをしたときに返りがよく、着地が安定するようにした。そしてもうひとつポイントとして、スキー幅を他に比べて少し細くして、いわゆるレースで使うようなシャープな動きができるような細さにした。これはZUMASKISの強みだよ。


――逆に、改善点だと思うところはありますか?

(CASSIE) 完璧ですよ!(笑)
前履いていた板は柔らかすぎたし、今の板はとても気に入っています。(キャシー)

(JUSTIN) 設計にも最初から携わっているしもちろん気に入っているけど、もし変えるとすれば、より反発の強い板にしたい。でも強すぎると壁を登っているときに途中で飛ばされてしまうので、そこをどう改善できるかっていうところはやってみたい。


――2人からみて日本のフリースタイルスキーチームにはどのような印象がありますか? 

(JUSTIN) 日本チームの難しいところは、施設、特にハーフパイプにおいてはすばらしいといえる環境でトレーニングできる施設が少ないところかな。
良い面でいうと、日本のフリースタイルスキーヤーは技の完成度が高い。テクニックにおいて、自分のコントロール下で技ができているね。


――日本のスキーマーケットは海外からみてどんなマーケットだとおもう?

(JUSTIN) 日本のフリースタイルのマーケットはきっと大きいはずだ。日本のパウダースキーは世界的にみてもいい。
スキーとスノーボードというところでは、特にフリースタイルスノーボードのマーケットのほうが大きいんじゃないかという印象を受けているよ。
――キャシーには、自身の次の目標を決めてますか?

(CASSIE) 3つのゴールがあって、1つはアスペンで開かれるXGAMEで勝つこと、2つめは2年ごとに開かれるワールドチャンピオンシップで勝つこと、3つめはフリースタイルハーフパイプの女子で初めてダブルフリップを決めることですね。


――ジャスティンは、今後の活動で注力していきたいことはありますか?

(JUSTIN) 板のグラフィックをより良くしていきたい。それと、フリースタイルのなかでもハーフパイプ用だけじゃなくて、オールマウンテン用の板もつくりたいな。


――3つのゴールを実現するために、ゴールの実現を意識をしながらトレーニングをしていますか?、それともシンプルに楽しむことやうまくなりたいということが前提にあって自然とその先にゴールがついてくるというイメージですか?

(CASSIE) スキーは楽しんでやっています。
それは始めたころからそうで、仕事ではないと思ってやっています。
なので、楽しんでやっている結果の延長線上にゴールがあるし、トレーニング自体も楽しんでやっています。


――昨年までの板のデザインがマークやシンボル的な要素が多かったですが、今年は山の風景をデザインしていて、方向性が変わったのには意図はありますか?

(JUSTIN) なぜこんなに変わったかというと、これまでは自分の好きなデザインを使ってきたけど、選手を引退して、その板を使う選手たちの好みを反映するようにデザイナーと話をした結果、こういうデザインになったんだ。


――スラックラインを楽しんでいる映像を観ました、スキー以外にも普段から楽しんでいるスポーツはありますか?

(CASSIE) トランポリンとかスラックラインをやっています。実家の裏にスラックラインがあって、母親もいつも楽しんでやっています。
それとロードバイク、サイクリングやサーフィンもやっています。


――競技とは関係ないことですが、ラーメン好きと聞いています。今回の来日でもうラーメンは食べましたか? もし気に入ったお店があったら教えてください。(笑)

(CASSIE) まだ、食べられてないんです。このあとの昼食でここの裏にある元楽というお店にラーメンを食べに行きます。
昨日までは食べるチャンスがなかったけど、今日からは毎日ラーメンを食べたいです。(笑)

取材後記

インタビューの途中、キャシーはおもむろに金メダルを取り出し、イベント参加者にメダルを回覧し始めた。
首に掛けて写真を撮っていいわよ。と、笑顔でみんなに言っていたのはびっくりだったが、金メダルに触れて歓声をあげる参加者たちをみて、キャシーはほんとうに楽しそうだった。

インタビューのなかにもあったように、彼女は競技においてもプライベートにおいても、楽しむことが前提にあるように感じた。
オリンピックにおいてもそれ以外の大会においても、それだけで勝利を勝ち取ることは難しいだろうし、勝利をつかむために必要な努力は計りしれないものがあることだろう。
しかし、そういったことよりも、幾度となく彼女が口にした「楽しむ」ということ。
それが彼女にとってのフリースタイルなのかもしれない。

彼女が掲げた3つのゴール。それが達成されて笑顔でメダルを掲げる姿を楽しみに待っていたいと思う。

【編集:SURF&SNOW編集部】

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