都会の喧騒を離れて非日常的が味わえる山小屋ライフ

山登りをしない人だって山小屋に泊まって楽しめる!

山の中で温かな食事が摂れ、布団でゆっくり眠れる山小屋は、登山者にとってはありがたい存在。しかし、山登りをしない人にとっては、どんなところか謎が多いかもしれない。山小屋は、素泊まりのほか、1泊2食など、オーナーのこだわり料理が味わえるプランもあり、個室のあるところもあるが、基本的には相部屋で雑魚寝。水が貴重で風呂がないことが多いが、場所によっては風呂完備の小屋もある。ホテルや旅館に比べると、設備は必要最低限の簡素なものだが、大自然に囲まれたロケーションは心穏やかに過ごせる特別な場所だろう。また夏でも涼しく、青空の下で味わう食事やティーブレイクも格別だ。
そこでここでは、山登りをしない人でも体験しやすい、アクセスの良い山小屋をピックアップ。ロープウェイを利用したり、小屋の近くまで車で行けるなど、山のピークまで登らなくても泊まれる山小屋は意外と多い。またアクセスしやすいというだけあって、食事や設備なども充実している。

ゴンドラ&ロープウェイで標高1900mの世界へ

植物の宝庫「栂池自然園」に建つ2つの山小屋

長野県の栂池高原にある「栂池自然園」は、日本有数の高層湿原を散策できる人気スポット。標高1900mの山深い場所にあるが、ゴンドラとロープウェイを乗り継ぐ「栂池パノラマウェイ」を使って楽々アクセスできる。湿原は雪解けを迎えると、6月中旬頃から水芭蕉やチングルマ、シラネアオイが咲きはじめ、夏季にはとりどりの高原植物が咲き乱れる。秋は湿地の草紅葉や木々の紅葉が楽しめ、天気のよい日は白馬三山など北アルプスの山々を望むことができる。
園内は一周約5.5㎞。湿地に敷かれた木道をのんびり散策しながら、3時間半~4時間ほどかけて周遊できる。体力に自信がなければ、みずばしょう湿原やわたすけ湿原など1時間~1時間半ほどでめぐれるの短いコースもある。栂池自然園の営業期間は6月初旬~10月末。入園料は大人300円、子供250円。自然園の入口には、宿泊・休憩できる2つの山小屋があり、深い山の中に滞在する山小屋の醍醐味を体験することができる。

ボリューム料理が人気の「栂池ヒュッテ」

栂池ヒュッテは和室とアルペンベッドに宿泊でき、和室は個室対応も可能。部屋からの眺めもよく、自然を身近に感じながらゆっくりと過ごせる。風呂を完備し、ミネラル活性装置による天然ミネラルの湯はなめらかな肌触り。肉や魚など山の中とは思えない品数豊富なボリューム料理も評判だ。売店には生ビールやおやき、ソフトクリーム、オリジナル商品などが揃い、買い物も楽しい。レストランはランチ営業もしており、栂池自然園の散策前後に休憩の場として利用しても便利。
すっきりとした個室の和室。仲間内だけでのんびりくつろげるのが魅力だ。
■山小屋の営業期間:4月下旬~5月初旬、6月初旬~10月中旬(宿泊時は事前に要確認)
※宿泊は予約制。

自然園が一望できる「栂池山荘」

栂池山荘は村営の山小屋。2階のラウンジから栂池自然園を一望でき、夜は満天の星空、早朝は朝焼けに染まった北アルプスの眺めが楽しめる。雪解け水を湧かした風呂もあり、トイレはウォシュレットを完備するなど設備が整い清潔感がある。食事を摂る1階レストランの眺望もよく、北アルプスや自然園の景色に癒されながら料理を楽しめる。甘酸っぱいさるなしの実を使った「さるなしソフトクリーム」は、売り切れになることもある売店の名物だ。
地元の山菜や野菜など旬の味覚を取り入れた食事もおいしく、信州の味覚を堪能できる。■山小屋の営業期間:4月下旬~5月初旬、6月初旬~10月中旬(宿泊時は事前に要確認)。ゴンドラ・ロープウェイ乗車券と栂池自然園入園券付きの宿泊プランもあり。

ロープウェイで行ける本格的な山小屋「縞枯山荘」

長野県にある縞枯山荘は標高約2200mの山岳エリアに建つ山小屋。蓼科高原の北八ヶ岳ロープウェイで山頂まで上り、雨池峠方面に歩いて15分ほどの距離。小屋までの道はアップダウンが少なく、歩きやすく整備されている。ロープウェイ山頂付近には「坪庭自然園」があり、30~40分ほどでめぐれる散策路にさまざまな高原植物が自生している。また立ち枯れした樹林が縞模様をつくる縞枯山の景色も有名だ。
山深くの開けた場所にひっそりと建つ縞枯山荘はとても静か。日が落ちると満天の星が頭上に広がり、静寂な森に包まれた格別の時間を過ごせる。小屋は太陽光と風力による自家発電なので部屋に照明や暖房設備がなく、ヘッドランプや防寒着が必須だ。なお小屋から片道1時間ほどの場所に森にたたずむ雨池があるが、そこまで足を延ばすなら相応の登山装備が必要になる。
縞枯山荘はコーヒーがおいしいことで評判。小屋の名前が入ったカップも風情がある。
■営業期間:通年営業(不定休あり)だが、12月~3月末の冬季は素泊まりのみ。宿泊利用は必ず予約を

高原でバーベキューも楽しめる「和田小屋」

苗場山の山麓にたたずむ高原植物の宝庫

和田小屋は苗場山(新潟県)の五合目にあたる標高1380mに位置。かぐらスキー場の中腹に建ち、道路が通っているので小屋の前まで車でアクセスできる。登山の拠点に利用する人が多いが、渓流釣りや星空観察、バードウオッチングなどを目的に滞在する人もいる。小屋内にも風呂はあるが、夏季は屋外にドラム缶風呂の「仙人の湯」が登場。これを体験したくて訪れる人もいるという。苗場山は花の百名山にも選ばれており、小屋の周辺にも可憐な高山植物を見ることができる。涼しくさわやかな高原の風に包まれながら、周辺を散策するだけでも心が癒される。
なお、かぐらスキー場は夏季になるとプラスチックマットをスキーやスノーボードで滑走できる国内最大級の「かぐらサマーゲレンデ」がオープン。サマーゲレンデ営業日はリフト券と和田小屋の宿泊がセットになったプランも用意。
テラスでわいわい楽しめるBBQも和田小屋で大人気のレジャー。バーベキューは7日前までの事前予約制で5名以上から受け付けている。
■小屋の営業期間:6月初旬~10月中旬(宿泊は必ず予約)。

山小屋利用時の注意事項も踏まえておこう

ここで紹介したのは、比較的にアクセスしやすい設備の整った山小屋だ。しかし、登山者も利用する標高の高い場所に建っているので、歩きやすい靴や防寒着など、最低限の装備で出かけよう。山小屋は予約しなくても空きがあれば宿泊できるが、繁忙期や週末は混雑するので、事前に予約確認を。ここで紹介した中にもあったが、予約が必要な山小屋もある。料金は現金での支払いが基本だ。登山者など翌朝早くに出発する人が多いため、消灯時間が早く、夜は静かに過ごすのがマナー。また夏季であっても15時には小屋に到着しておくのが山の基本だ。これらを踏まえて、自然いっぱいの山小屋で非日常的な滞在をぜひ体験してみよう。
text : Chiho Kuriyama

施設情報

栂池ヒュッテ

所在地
長野県北安曇郡小谷村千国乙
外部URL
https://www.hakuba-sanso.co.jp/yamagoya/tsugaikehutte.html

栂池山荘

所在地
長野県北安曇郡小谷村千国乙
外部URL
http://www.tsugaikesansou.jp/

縞枯山荘

所在地
長野県茅野市北山
外部URL
http://www.lcv.ne.jp/~simagare/

和田小屋

所在地
新潟県南魚沼郡湯沢町三俣(かぐらスキー場内)
外部URL
https://www.princehotels.co.jp/amuse/wadagoya_summer/

施設マップ


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