中心地の室堂や途中にある山小屋に泊まり旅を充実したものに

立山黒部アルペンルートは富山県と長野県を結ぶ山岳観光ルート。富山県立山町の「立山駅」と長野県大町市の「扇沢」を結ぶルートは、標高3000m級の山々が折り重なる北アルプスを貫き、総延長は37.2㎞におよぶ。ルートの全区間が中部山岳国立公園内にあり、マイカーの乗り入れは禁止されているため、ケーブルカーやロープウェイ、トロリーバスや電気バスなどさまざまな乗り物を乗り継いで、北アルプスの奥深くに広がる大自然を観光できる。富山県と長野県のどちらからでもアクセスでき、見どころも多いので、途中にある山小屋に泊まってゆっくり楽しんでいこう。

富山側のルートは立ち寄りスポットが多数

途中で原生林や湿原などの散策も

立山黒部アルペンルートの富山側の玄関口は立山ケーブルカーの立山駅。美女平まで上がり、そこから立山高原バスで室堂に向かうが、急がずここでのんびりしてもいい。美女平は原生林の森が広がり、散策路も整備され、樹齢1000年以上の杉の巨木や樹齢数100年のブナの森などをめぐることができる。立山高原バスに乗車したら一気に室堂まで行かず、途中下車しながらいろいろ立ち寄っていく旅もおすすめ。弥陀ヶ原で下車すると、ラムサール条約に登録されてる高山湿原が広がり、木道の散策が楽しめる。

静かに過ごせる人気の「天狗平山荘」

室堂のひとつ手前の天狗平で下車すると、目の前が天狗平山荘。標高2300mに位置する山荘は、室堂よりも静かでのんびり過ごせることと、食事がおいしいことが評判で、ここを拠点に選ぶ人も多い。室堂まで石張りの歩きやすい道が整備されており、歩いても40~50分ほどの距離。途中のベンチで休憩しながら荒々しい剱岳を眺めるなど、立山ならではの展望ポイントもある。

立山黒部アルペンルートの中心地「室堂」

ここを拠点に立山の醍醐味を満喫

立山高原バスの終点である室堂は、立山黒部アルペンルートの中心地。室堂平と呼ばれる高原地帯が広がり、日本三大霊山のひとつである雄山をはじめ、立山の名峰が周囲を取り囲む別天地だ。日本アルプスで最も深い高山湖である「みくりが池」や、火山ガスを吹き上げる「地獄谷」などさまざまな見どころが点在し、たっぷり時間をかけて散策を楽しみたい。
室堂ターミナルの近くにある立山玉殿湧水は、立山に降った雪が200年~300年かけて濾過されたという日本名水100選のひとつ。水は真夏でも冷たく、登山者や観光客の喉を潤してくれる。夏の室堂平にはとりどりの花が咲き乱れ、チングルマやシナノキンバイ、イワカガミなど代表的な高山植物を鑑賞することができる。

高さ20m近い雪の壁も有名

アルペンルートが全線開通した直後の4月中旬~6月中旬、室堂ターミナル周辺の道路は両側に雪壁がそびえる「雪の大谷」が現れる。この時期だけは道路の1車線を歩行できるように解放し、雪壁の間近を散策することができる。最も高いところで20m近い高さになるという雪壁は、徐々に溶けて低くなるが、夏近くまで残っていることも。立山高原バスは、この雪壁のある道路を通り抜けていく。

標高2450mに建つ「ホテル立山」

室堂ターミナルの2階がホテル立山。立山黒部アルペンルートの最高所に位置し、立山三山などの北アルプスの名峰を一望できる最高のロケーションだ。これほど山深くにあるホテルにもかかわらず豪華な食事が味わえ、ディナーは富山湾の鮮魚などこだわりの素材を盛り込んだ本格フレンチや和食、朝食は品数豊富なビュッフェを用意。おしゃれなバーやティーラウンジもあるなど、極上の休日を体験できる。
イベントも豊富で、5月~10月は毎月数回、富山県天文学会から講師を招いて天体望遠鏡で星空観察を行なう「スターウォッチング」を実施。満月に近い明るい月夜には、スライド上映や専属ガイドが室堂を案内しながら月明りに浮かぶ立山の峰々や星の説明を行う「ムーンライト立山」なども開催されている。“星にいちばん近いリゾート”であるホテル立山ならではの格別の体験だろう。

長野側の玄関口は「扇沢」

乗り物をいくつも乗り継いで室堂に

長野側から立山黒部アルペンルートを利用する場合は、いくつもの乗り物を乗り継いでいく。まず起点となる扇沢から電気バスに乗り、山を貫くトンネルを進んでいくと、黒部ダムに着く。そこから歩いてダムのえん堤を渡り、ケーブルカー、ロープウェイ、トンネルトロリーバスを次々に乗り換えていくと室堂に到着だ。

人気スポットはスケール感あふれる「黒部ダム」

ダイナミックな観光放水は一見の価値あり

長野側のルートの立ち寄りスポットは大迫力の黒部ダムだろう。6月26日~10月15日は観光放水を行なっており、日本一高いダムから毎秒10トン以上の水がミスト状に放水されるのは圧巻ものだ。観覧スポットも数カ所用意され、黒部ダム全体を一望できる「ダム展望台」、せり出すように作られた「放水観覧ステージ」、防水が間近に迫る「新展望広場・レインボーテラス」、放水を横から見られる「ダムえん堤」など、さまざまな角度でダムを楽しめる。晴れた日には、水しぶきにかかった虹を見られるチャンスも。黒部湖をクルーズできる遊覧船も運航されており、黒部ダムだけでたっぷり観光を満喫できる。

「ロッジくろよん」に泊まると黒部ダム放水の瞬間が見られる!?

乗り物の運行前に黒部ダムを独り占め

黒部湖のほとりに建つ「ロッジくろよん」は、遊覧船乗り場から10~15分ほど歩いた場所に位置。ブナの原生林に包まれた静かな場所でのんびり過ごせ、和食中心の家庭的な料理が味わえる。風呂もあるので快適だ。ここに滞在すると、黒部ダムが放水する瞬間を見ることができる。放水がはじめる時間は、立山黒部アルペンルートの乗り物の始発が動きだす前。朝食前にダムまで散策に出かけると、その貴重な瞬間に立ち会えるというわけだ。

さまざまな乗り物を体験するのもまた楽しい

ダムから黒部ケーブルカーで上がり、その先は立山ロープウェイを乗り継ぐが、その先には断崖絶壁にせり出すように大観峰が建っている。駅舎の外に出られるのは屋上の展望台だけ。そこからの眺めは、黒部湖や後立山が一望できる大パノラマだ。次に乗る立山トンネルトロリーバスは電車のように架線の付いた電気バスで、現在は日本で唯一ここだけにある。立山の主峰である雄山の直下に掘られたトンネルを抜け、開放的な室堂に到着した感覚もまた感動的だ。長野側から室堂にアクセスすると、珍しい乗り物を体験しながら楽しく移動ができる。

意外と行きやすい立山黒部アルペンルート

来た道を戻らず通り抜けるものいい経験かも!?

立山黒部アルペンルートは中心地の室堂に向かうことが主な目的だが、途中の山小屋を上手に利用すれば、あちこち観光を楽しみながら充実した旅を楽しめる。室堂から戻るときは、来たルートをそのまま戻るのではなく、富山県や長野県に抜けていろいろな乗り物を乗り継いでみるのもいい体験だ。

電車やツアーバスなどさまざまな方法でアクセス可能

富山側の立山駅は富山地方鉄道で北陸新幹線・富山駅までアクセスでき、長野側の扇沢駅は路線バスや特急バスでJR大糸線・信濃大町駅や北陸新幹線・長野駅にアクセスできる。立山駅や扇沢駅へのツアーバスも充実しており、これらを上手に使えば意外と立山黒部アルペンルートの玄関口まで行きやすい。山に適した身支度を整え、安全・快適に北アルプスの大自然へと繰り出してみよう。
text : Chiho Kuriyama

施設情報

天狗平山荘

所在地
富山県中新川郡立山町天狗平
外部URL
http://www.tengu.ne.jp/

ホテル立山

所在地
富山県中新川郡立山町芦峅寺室堂
外部URL
https://h-tateyama.alpen-route.co.jp/

ロッジくろよん

所在地
富山県中新川郡立山町芦峅寺字ブナ坂外第11国有林
外部URL
http://www.kuroyon.com/

施設マップ


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