ガールズアスリートインタビュー | 今活躍している女性アスリートにフォーカス!

藤森由香

profile

藤森由香
1986年6月11日長野県小県郡長和町生まれ。実家がレンタルショップということもあって、幼少の頃からスキーに親しむ。小学生一年生でスノーボードを始め、四年生の冬にはスノーボードクロスの大会に出場。本格的なスノーボードクロスの練習場所がない中、数々の大会で実戦を積みながらテクニックと精神力を養ってきた。 2005年3月からワールドカップ転戦をはじめ、翌2006年2月にイタリアで開催されたトリノオリンピックにはスノーボードクロスの日本代表として出場。7位入賞でレースを終えた。現在、JWSC全日本ウィンタースポーツ専門学校スノーボード専攻科2年生に在学中。
スポンサー
Vector glide、SPーDESIGN、SMITH、FREERIDE、GALLIUM、CW-X、スノーボードショップ シーハイル、JWSC全日本ウィンタースポーツ専門学校
※2006年11月現在のスポンサーです。

藤森由香 Vol.1

藤森由香
 

スキーにしろスノーボードにしろ、およそ競技と名の付くものは1コース1名が大原則です。アルペン競技の一部にパラレルがある以外、複数人数が同時に滑ることはあり得ません。ところが、この競技は1コースに6人ものライダーがなだれこみます。最速ラインは1本だけ。それを全員が取り合えば、衝突も混乱も、番狂わせな波乱の展開も起こりえます。
トリノオリンピックで開催された「スノーボードクロス」は、そのダイナミックなライディングとエキサイティングな試合運びで、多くの人を魅了しました。こんなに楽しい競技があったのか。こんなにワクワクするレースがあったのか。初日に開催されたスノーボードクロス男子で、世界はそのおもしろさに気づきます。そして翌日。スタートラインには一人の日本人女性がスタンバイしてました。スノーボードを始めて12年。年齢には似合わないほどの長いキャリアを積んできたその人は世界と互角に戦いながら、その競技の魅力を全身で表現してくれたのです。
2回目を迎えたSURF&SNOW INTERVIEW。今回ご登場いただくのは、トリノオリンピック・女子スノーボードクロスで7位という好成績をおさめた20歳の新星・藤森由香さんです。

最初はあんまりノリノリじゃなかったんですよ

新潟にあるスノーボードの専門学校・JWSC(全日本ウィンタースポーツ専門学校)に通う藤森さんを訪ねると、ちょうど放課後のトレーニングを終えたところ。この人が!と驚くほど、華奢な女性。それが藤森さんの第一印象でした。「今日は体幹(たいかん:お腹や腰、背中など)の筋トレだったんですよ。ちょっと疲れた~」と言いながら、ころころと笑っています。自分のことを "ゆっち" とよぶ藤森さんに、アスリート独特の追いつめられたムードはありません。見かけだけで言えば、まったく普通のお嬢さん。言われなければ、この人がオリンピックに出場したとは思えないほどです。そんな "ゆっち" の構えないキャラクターに引き込まれて、今回のインタビューはカジュアルなムードで始まりました。

じゃあ、始めよっか。

藤森 :よろしくお願いしま~す(笑)

最初はお約束で、スノーボードを始めたきっかけからなんだけど。

え~っと、実家が『シーハイル』っていうレンタル屋さんをやってるんですよ。エコーバレースキー場(長野県小県郡)の近くで。で、お父さんから "スノーボードやってごらん" って言われて。二つ上のお姉ちゃんがいるんですけど、お姉ちゃんと一緒に始めたんですよね

それっていつ頃?

小学校一年だったと思うんですけど

うん。

言われて、最初はイヤだったんですよ。元々スキーはやってたんで、スキーの方がいいなって思ってて。いきなり新しいことをやるのは怖かったのかな。ちょっとイヤだったんですよ

新しいことにはチャレンジしない、おとなしい子だったの?

いや、おとなしいって感じじゃなかったです。けど、新しいことに対してやるやる!って何でも挑戦するほど元気じゃなかったですね。割と、知らないものに対しては戸惑う方だったかも

じゃあノリノリで始めたんじゃなくて?

うん、お父さんがそこまで言うなら、ちょっとやってみようかなぁ、っていう感じですね

で、やってみたら。

おもしろかったんですよ!

じゃあいきなり滑れたんだ。

いや、それが全然できなかったんです(笑)とにかくターンの切り返しができなくて、右に曲がったら右のまま。それを左に切り返すとかできなくて。切り返せないからすごいスピードが出ちゃって、そのまま転んでおしり打ったり(笑)でも、別にイヤにはならなかったですね。スノーボード自体もおもしろかったし、うちには冬の間、アルバイトの人たちがいっぱいいて。その人たちの中にいるのも楽しくて。スノーボーダーってかっこいいなぁ、大人ってかっこいいなぁって思いながら

同時に始めたお姉ちゃんはどうだったの?

それがお姉ちゃんの方が上手くて。ターンもすぐにスラスラ~っとできるようになったんですよ。それが悔しくて

あ、じゃあお姉ちゃんに負けたくないっていうのもあったの?

ありましたね。お姉ちゃんはよく褒められてたんですよ。 "滑りがきれいだね" って。だけど "由香は……、きれいじゃないね" みたいな。で、悔しいなぁって思って、絶対上手になってやるって

負けず嫌いが原動力だったんだ。

そうかもしれないです

つづく・・・